根本です。
久々の投稿です。
少し間が開いてしまい、申し訳ありません。
さて、当社では昨年より「蝦夷和紙プロジェクト」に参加しております。
どういうプロジェクトかというと、和紙文化の無い北海道にも和紙文化を根付かせようと、札幌市内に「紙びより」という工房を構える東野早奈絵さんが4年前に始めたプロジェクトです。
「和紙文化の無い北海道に和紙の文化を根付かせたい。」しかも、「北海道に自生する植物を使って、できるだけ伝統的な製法で和紙にする。」という簡単なようでとても壮大な挑戦です。
私も襖屋として、切っても切れない関係の「和紙」というものをもっとよく知りたいという気持ちから、昨年より実行委員として携わらせていただいてます。
今年の素材は、「エゾイラクサ」と「オヒョウニレ」。オヒョウニレは、プロジェクトの初回に挑戦したもので今回が2回目。蝦夷和紙の定番になるかも知れませんね。
上の写真のように、まずイラクサの群生地を探し大量に採取、自然乾燥させた後、気の遠くなるような手作業により表面の繊維のみ取り分けます。
それを、アルカリの液で煮込みます。(煮熟/しゃじゅくと言います。)
煮上がって残った柔らかい繊維を丁寧に洗い、水がきれいになるまで何度も灰汁抜きをします。
今では機械を使って繊維を細かくほぐしますが、このプロジェックトでは少しでも伝統的な手法を使うということで、ハンマーを使って人の手でほぐしていきます。この作業を、叩解(こうかい)と言います。
漉き船にイラクサの繊維を泳がせ漉いていきます。
何とか紙になりそうな雰囲気が...
これを慎重にはがし、鉄板乾燥機に貼り付け乾燥するのを待ちます。
完成したのがこちら。左がイラクサ、右がオヒョウニレです。
見事に新しい蝦夷和紙が完成しました!
今後は、これを建築に活用する方法を考えていきたいと思っています。
和紙づくりは、奥が深いですがとても楽しいです!