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襖(ふすま)のメンテナンス 貼替え テクニック その4

根本です。

前回の投稿からかなり空いてしまいましたが、今回は板襖(ベニヤ襖)の貼替方法についてお伝えします。

 

写真のように、引手を外し古い襖紙を全てはがします。

 

表面のデコボコや糊残りなどをきれいに取って、平らにならしていきます。

この作業をいい加減にすると、後の仕上がりにはっきりと表れてくるので、この作業は丁寧に行います。

注)今回は、新鳥の子紙という普及タイプの襖紙を使いましたが、本鳥の子紙や手漉きの和紙等を貼る場合などは縁の内側に5㎝程度の巾の和紙をあらかじめ貼るなど、下地の状態や襖紙の質により貼り方が変わってきます。

 

次に、襖の大きさに合わせてあらかじめカットしておいた襖紙の裏面に、水はけを使って濡らしていきます。

これにより、襖紙が水を吸収して柔らかくしなやかになると同時に数%程度伸びます。

襖紙が乾く前に、先程きれいに仕上げた襖本体の縁の内側に2~3㎝程度の巾で糊を付けていきます。

 

襖紙を優しくのせ、素早く縁の糊に密着するように刷毛で押さえます。

 

ここからが熟練の技の見せ所です。

あとで襖紙をカットした時に、隙間が出ないように襖の縁に対しキッチリと押さえつけていきます。

この時、力加減を間違えると襖紙は簡単に破れてしまいます。

 

最後に、金ベラを当てながらカッターで切っていきます。

 

四方をカットし終わるとこのような仕上がりになります。

この時点ではまだ襖紙が濡れて伸びた状態なのでたるんでいますが、乾くとピンと張り美しい仕上がりになります。

襖紙が乾くまで引手は付けないでおきます。

襖紙が完全に乾いたことを確認して、引手を付けたら完成です。