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襖(ふすま)のメンテナンス 貼替え テクニック その3

根本です。

少し間が空いてしまいましたが、襖のメンテナンス 貼替え テクニック その3をおとどけしたいと思います。

その1では、襖の種類によるパネル部の材質や構造の違いをお伝えしました。

 

また、その2では、襖の種類によって色々な框材(フレーム材)が有ることをお伝えしました。

 

今回は、襖の種類によって貼替え方法が違うということを、お伝えできればと思います。

 

ここでも、その1・その2と同じように北海道内おもに札幌、小樽、北広島、江別などの近郊で多く使われている襖について、その貼替え方法の違いをお話ししたいと思います。

 

最初は、弊社の製品でもあります「量産ふすま(ダンフスマ)」です。

量産ふすまにも、材料の種類・構造によって「ダンボール襖」「ペーパーコア襖」「発泡プラスチック襖」が有ることは以前お伝えした通りです。

 

襖のことを紹介しているブログや一部のマニュアル本には、量産ふすまは基本的に「貼替えできない襖」「使い捨ての襖」というように紹介されていることもあります。

ただ、これは間違いです。きちっとしたメンテナンスさえしていれば、何十年でも使い続けることはできるのです。

 

今から44年も前、1972年の札幌オリンピックの際に整備された選手村に、数千枚の「ダンボール襖/ダンフスマ」が納入されました。その襖が、今でもメンテナンスを繰り返しながら使われているのがその証しです。

 

もちろん、全てが当時のままのものかというと、そうではありません。新しく作り替えたものも相当数あります。

しかしながら、一部のパーツ交換と襖紙の貼替えを繰り返して使っていただいているものも、相当数あります。

 

さて、それでは早速ダンボール襖に代表される、量産襖の貼替え方法について見ていきましょう。

 

これらの襖の貼替え方法は、以下のとおり基本的には全て一緒です。

● 襖紙を直接べた貼りする。

● 必ず両面貼り替える。(可能な限り両面同一な条件になるように)

 

当社では、工場に一度持ち帰ってから、各パーツの状態やパネル部分の凸凹等を確認して、必ずパテ処理をしてから襖紙を貼り替えています。

 

下の写真は、各パーツの状態をチェックしたもの(左写真)とパテ処理を施したもの(右写真)です。

チェックのため取り外した引手や換気その他のパーツは、全て洗剤できれいにした後乾燥させて再度取り付けています。

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下の写真は襖紙にのりを付けたところです。襖専用のでんぷんを使ったのりを使います。

ここでは、けっしてクロスのりを使いません。あくまでも、襖専用ののりを使います。

このように、均一になるように延ばしていき、乾かないうちに手早く貼っていきます。

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手早く行いながらも、襖紙の下にごみや空気が入っていないか細かく気を配りながら、一気に貼っていきます。

 

 

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 両サイドは、竹べらを使いフレームの内側に差し込んでいきます。

 この技術は、当社にしかないものです。

 これにより、乾いた時に美しく歪みの少ない状態になります。

 この作業を、一度に必ず両面行います。

 

 

 

 

 

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外したパーツを元通りに取り付けて、その後は一晩乾燥室で乾燥させます。

仕上がり状態をチェックした後、それぞれのお客様毎にお約束の日時に合わせお届けし、建付け調整をして完了です。

 

これらの作業は、他の量産襖の場合もほとんど変わりありません。

 

このように、「しっかりとしたノウハウを持って」「丁寧な仕事をする」ことにより、量産襖でも永く使い続けられしかもその結果ランニングコストを低く抑えることが出来るわけです。

 

皆様のご家庭にも量産襖が納入されているかも知れませんが、リフォームの際には是非襖は私共襖屋にお任せください。

 

それでは、次回「板(ベニヤ)襖」の貼替えをおとどけします。